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歯周病による口臭の特徴は?治し方やセルフチェックのポイントを紹介

口臭を引き起こす原因の一つに歯周病があります。歯周病は35歳以上の約8割が罹患しているといわれており、症状が進行すると歯を失う怖い病気です。

歯周病による口臭は症状が進行するとさらに悪化するため、早めに治療を行う必要があります。この記事では、歯周病による口臭の特徴や治し方、セルフチェックのポイントを紹介します。

歯周病とは

歯周病とは

歯周病とは、細菌の感染により引き起こされる炎症性の疾患であり、歯の周りの歯茎や歯を支える骨などが溶けてしまう病気のことです。

炎症が歯茎に限定されている場合は歯肉炎、それ以上に進行したものは歯周炎(歯槽膿漏)と呼ばれています。

歯周病を引き起こす原因は、細菌の集まりである歯垢や歯垢が進行した歯石です。

歯が十分に磨けていないと、歯と歯茎の間にこれらが溜まり、炎症を起こして歯茎が出血したり、ブヨブヨしたりなどの症状が出ます。

さらに、歯垢や歯石が溜まると歯と歯茎の間にある歯周ポケットが深くなり、歯垢が蓄積して炎症がさらに悪化し、膿が出て口臭の原因になります。

歯周病は歯がグラグラしたり、最悪の場合は歯が抜けてしまう怖い病気です。

歯周病の口臭をもたらす原因物質

歯周病の口臭をもたらす原因物質

歯周病の口臭をもたらす原因物質は、硫化水素とメチルメルカプタンです。ここでは、それぞれの物質を解説します。

硫化水素

硫化水素は歯垢や舌苔に多くみられる物質です。

舌苔は舌の表面に苔のように付着している白色や黄褐色にみえる部分であり、ブラッシングの磨き残しや唾液分泌不足、喫煙などで生じます。

硫化水素は口臭をもたらす原因ではあるものの、歯周病以外でも発生する物質です。

メチルメルカプタン

メチルメルカプタンは硫黄を含んだ揮発性のガスで、歯周病の口臭の主な原因物質です。

硫化水素よりも臭気が強い物質として知られており、歯周病の進行によって増えるだけでなく、同時に歯周病を助長する物質でもあります。

メチルメルカプタンは歯周ポケットから浸みだしてくる液の中で増殖し、さらに硫化水素と同じく舌苔でも発生するのが特徴です。

舌苔は歯周病の進行により増えるため、歯周ポケットと舌苔の双方から口臭がします。

歯周病による口臭の特徴

歯周病による口臭の特徴

歯周病による口臭は、原因物質のバランスによってさまざまなニオイがします。ここでは、歯周病による口臭の特徴を紹介します。

タマネギが腐ったようなニオイ

歯周病でタマネギが腐ったようなニオイが生じるのは、メチルメルカプタンによるものです。かなり強烈なニオイであるため、人と話していると臭いと思われてしまう場合もあります。

タマネギが腐ったような口臭はメチルメルカプタンが多く発生している証拠であり、歯周病が進行している可能性が高いでしょう。

タマゴが腐ったようなニオイ

タマゴが腐ったようなニオイが生じるのは、硫化水素によるものです。

硫化水素はタマゴが腐敗する際に多く発生する物質であるため、一般的に硫化水素は「タマゴの腐ったニオイ」といわれています。

歯周病の原因である歯垢や舌苔で発生するため、歯周病で発生することが多い口臭です。

しかし、口内の衛生環境が悪化している場合にも硫化水素は発生するため、必ずしも歯周病だけが原因で発生するとは限りません。

生ゴミのようなニオイ

生ゴミのようなニオイが生じるのは、ジメルサルファイドと呼ばれる物質が原因です。ジメルサルファイドは歯周病によって発生する物質ではあるものの、内臓疾患でも発生します。

そのため、生ゴミのようなニオイしかしない場合は、歯周病ではなく内臓疾患が原因になっている可能性もあります。

歯周病による口臭のセルフチェック方法

歯周病による口臭のセルフチェック方法

歯周病による口臭は自分で気づけない場合もあります。ここでは、歯周病による口臭のセルフチェック方法を紹介します。

コップや袋を使って自分でチェック

歯周病による口臭は、コップや袋を使って自分でチェックすることも可能です。

コップや袋に息を吹き込み、密閉してから中のニオイを嗅ぎましょう。不快なニオイを感じた場合は口臭の可能性が高く、タマネギが腐ったようなニオイがしたら歯周病が疑われます。

なるべく正確に口臭をチェックするためにも、使用するコップや袋は無臭で新しいものを使用しましょう。

コップを使用する場合は空気が抜けやすいため、ラップや封筒などのアイテムを利用し、息を閉じ込めたらすぐにフタをします。

また、袋を使用する場合は息を吹き込んだあとに、上部をすぐに握って密封すれば問題ありません。

第三者によるチェック

歯周病による口臭が気になる場合は、可能であれば第三者にチェックしてもらうと、周囲がどのようなニオイを感じているか正確に判断できます。

人は同じニオイを嗅ぎ続けていると、次第にそのニオイに慣れてしまうため、コップや袋を使って自分でチェックしても強い口臭を感じないこともあります。

自分はあまりニオイを感じていないものの、会話をしている相手の反応が気になるようなら、第三者に確かめてもらうとよいでしょう。

口臭測定器を使用

歯周病による口臭の程度がどれくらいなのか知りたい場合は、市販の口臭測定器を使用する方法もあります。

口臭測定器は息を吹き込むことで口臭の原因物質を測定し、ニオイの度合いを数値化して表示できるため、口臭の度合いもわかりやすいでしょう。

ただし、物によっては結果があいまいだったり、数値にブレがあったりするため、高い精度で口臭をチェックすることは難しい場合もあります。

細菌検査を受ける

歯科医院や医療機関で細菌検査を受けることで、口臭がどれくらい強いのか調べることができます。

歯周病にかかるとメチルメルカプタンと呼ばれる揮発性のガスが発生するため、細菌検査を行って口臭に含まれる成分を測定することで、口臭の度合いをある程度把握することが可能です。

また、細菌検査によって歯周病がどれくらい進行しているかも分かります。歯科医院や医療機関によっては口臭の測定も行っているため、細菌検査と合わせて行うと効果的です。

歯周病の口臭対策

歯周病の口臭対策

歯周病による口臭は日頃の対策が重要です。ここでは、歯周病の口臭対策を紹介します。

歯磨きをしっかり行う

歯周病による口臭は、歯磨きをしっかり行うことで軽減できます。

歯周病は、磨き残しや間違ったブラッシングにより口の中に蓄積した歯垢や歯石が原因となりますが、これらは歯磨きで取り除くことが可能です。

また、歯周病の主な口臭原因となるメチルメルカプタンは歯周ポケットに多くあるため、歯周ポケットの汚れをきれいに取り除くこともポイントになります。

歯周ポケットの中まできれいに磨くためには、歯と歯茎の間に歯ブラシを45度の角度であてて、小刻みにブラッシングするバス法が有効です。

ただし、汚れをしっかり取り除こうとして力を入れすぎると歯茎を傷つけてしまい、逆効果になる場合もあります。

歯磨きのタイミングは毎食後が基本ですが、毎回念入りに行うことは難しい方もいるでしょう。

そのような場合は、毎食後に洗口液や水で口内をすすぎ、寝る前のブラッシングだけでも丁寧に行うことが重要です。

鼻呼吸をする

普段から口呼吸になっている方は、意識して鼻呼吸に変えるだけでも歯周病の口臭は軽減される場合があります。

なぜなら、鼻呼吸を行うことで口腔内の乾燥を抑えることができるからです。

そもそも、口臭は口内が乾燥するほど強くなりやすい特徴があります。これは唾液が減って自浄作用が低下し、タンパク質を分解する細菌が増えることで口臭が濃縮されるためです。

鼻呼吸を行うことで口内の乾燥を防ぎ、適度に唾液で潤った状態になるため、口臭を減らす効果が期待できます。

しかし、昼間は自分でコントロールができても、就寝中は勝手に口呼吸になるという方も多いでしょう。この場合は、口呼吸防止用テープやマスク着用で就寝すると、口内の乾燥を防ぐことができます。

歯間ブラシやデンタルフロスを使用する

歯周病の口臭が気になる方は、歯間ブラシやデンタルフロスを使用するのもおすすめです。

歯間ブラシやデンタルフロスを使用すると歯垢の除去効果が高まるだけでなく、歯ブラシで完全に除去しにくい歯間部の汚れを取り除けます。

歯間ブラシやデンタルフロスで歯間部の汚れをこまめに取り除くことで、歯周病予防につながり、口臭も軽減できます。

なお、歯間ブラシもデンタルフロスも歯と歯の間の汚れを取り除く器具ですが、歯間ブラシは先端がブラシの形状をしているのに対し、デンタルフロスは先端が糸の形状です。

歯と歯の距離が広い人は歯間ブラシ、近い人はデンタルフロスが使いやすいでしょう。

また、どちらも歯茎を傷つけないように鏡を見て場所を確認しながら使用し、歯と歯の隙間が狭くて入れにくい場合は無理に挿入しないようにしましょう。

歯周病予防の歯磨き粉や洗口液を使用する

歯周病予防には、IPMPやCPCなど、殺菌成分が含まれている歯磨き粉や洗口液を使用するとよいでしょう。

IPMPは、複数の細菌が集まって構成されるネバネバした膜の「バイオフィルム」への浸透性に優れており、内部の細菌まで殺菌する効果があります。

CPCは、IPMPのようにバイオフィルム内部への殺菌効果は高くないものの、口内に対する細菌には高い殺菌効果が期待できます。

また、歯茎の腫れや出血などが気になる場合は「抗炎症成分が含まれているもの」、歯茎が弱っているなら「低研磨で負担が少ないもの」のように、口内の環境に合わせた選び方もポイントです。

研磨剤が多く含まれていると歯茎にダメージを与えるだけでなく、歯のエナメル質を傷つけて歯の表面にも繊細な傷がつき、細菌が住みつきやすくなるため注意しましょう。

定期的に歯のクリーニングを受ける

歯周病の口臭対策として、歯科医院で定期的に歯のクリーニングを受ける方法もあります。

歯のクリーニングでは、専用の器具を用いて歯周病の原因となるプラークや歯石を除去したり、歯磨きができていない部位のチェックや歯磨き指導を行ったりします。

口内環境を整えるだけでなく、正しい歯磨きの仕方を教わることで、日々のセルフケアにもつながるでしょう。

また、歯磨きでは落とすことができない細かな汚れもクリーニングでは取り除くことができます。さらに、歯や口内のチェックを行うことで、虫歯の早期治療につながることもあるでしょう。

歯周病治療を受ける

歯周病を発症している場合は、歯周病治療を受けることも口臭予防につながります。歯周病治療は進行度によって異なり、初期段階であれば口腔内から歯周病菌を減らすことが可能です。

内容としては、歯磨き指導や専門機器を使って歯垢を除去するデブライドメント、歯石を除去するスケーリングなどがあります。

基本治療だけで改善が見込めない場合は歯周外科治療となり、患部の歯茎を切開したり、歯根面についているプラークや歯石の除去を行います。

あごの骨や歯根膜などの歯周組織が溶けてしまうと、歯周組織の再生治療が必要となるため、できるだけ早期の段階で治療を行うのが望ましいです。

まとめ

この記事では、歯周病による口臭の特徴や治し方やセルフチェックのポイントを紹介しました。

歯周病の口臭をもたらす原因として、主に硫化水素とメチルメルカプタンがあります。このうち、タマネギの腐ったようなニオイがするメチルメルカプタンは、歯周病が進行すると増える物質です。

口臭が気になる場合は歯周病の可能性もあるため、歯科医院で診てもらうことをおすすめします。

箕面市の歯医者、箕面おとなこども歯科は、赤ちゃんから成人、妊婦さんまで幅広い方にご来院いただいている歯科医院です。歯周病治療はもちろん、それに伴う口臭の悩み相談や歯磨き指導なども行っています。

どのような診察においてもコミュニケーションを大切にし、通いやすさや楽しさを重視しています。個室のファミリー診療室やキッズルームもありますので、お子様連れでもお気軽にご来院いただけます。

歯周病や口臭が気になる方、治療を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。