小児歯科に通えるのは何歳から?というのは、子どもがいる家庭では迷ってしまうかもしれません。
また、中学生や高校生は、小さな頃から通っている小児歯科には何歳まで通えるのか?と疑問に思うところです。
歯科医院にもより、1歳半から18歳くらいまでとなっている場合が多いですが、どうして一般歯科と分けられているのでしょうか。
この記事では、小児歯科に通える年齢と特徴、年齢別に変わる虫歯予防のポイントなどを解説していきます。
いつから小児歯科に通えばいいのか、一般歯科にうつるのは何歳なのかなど、小児歯科に関する疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
小児歯科は何歳から何歳まで?
実は、小児歯科が明確に『何歳から何歳まで』と決まっているわけではありません。
大体1歳半から18歳くらいまでを対象にしている歯科医院が多いというだけで、年齢制限はないのです。
乳歯が生え始める頃から永久歯が生えそろう頃が目安とはなりますが、個人差があるため年齢では区切りづらいでしょう。
歯科医院により対象年齢を決めている場合もあるため、赤ちゃんでも20歳でも、心配なときは歯科医院に問い合わせて相談してみましょう。
何歳から通える?
いつから通えるかはさまざまですが、0歳児から通える小児歯科医院もあります。
乳歯が生えてきたら、と考えると生後6ヶ月以降になるでしょう。
赤ちゃんの頃は自治体の乳幼児健診があり、歯の状態も診てくれるため、それをきっかけに通い始める人もいます。
ただし、小児歯科によって0歳から対応していない場合も多いため、必ず事前に問い合わせをしましょう。
また、乳歯だから虫歯になっても永久歯が生えるまではいいだろう、という考えは危険です。
子どもの歯は虫歯の進行が早く、後から生えてくる永久歯へ影響する場合もあるため、予防することが重要です。
乳歯が生え揃うのを待つ必要はなく、虫歯のチェックに通うのも虫歯予防につながります。
『3歳から』は3歳児健診の影響
小児歯科は3歳から通えるという説もありますが、3歳から通う方が多くなるというだけで、決まっているわけではありません。
自治体の乳幼児健診で虫歯が発覚して、通う方が増える傾向があります。
いつから歯の状態を診る健診があるかは自治体によりますが、1歳半健診からの場合もあり、そこから通い始めるケースもあるでしょう。
年齢制限のない小児歯科は、通う時期を迷ってしまうかもしれませんが、乳幼児健診をきっかけに通い始めるのもいい機会になるかもしれません。
何歳まで通える?中学生・高校生は?
何歳まで通えるかは、歯科医院によって違いますが、年齢制限を設けていない小児歯科では18歳頃が目安となることが多いです。
永久歯が生えそろい、骨格の成長が落ち着き顎の骨の成長が止まって安定する頃まで、というのが一般的です。
18歳を過ぎても成長が続く方もいて個人差が大きいため、いつまでかも明確には決まっていません。
歯科医院によっては、20歳までを小児歯科の対象にしている場合もあります。
小児歯科から一般歯科への切り替えはできる?
通っている歯科医院が小児歯科と一般歯科を併設している場合、大人の骨格になったらそのまま一般歯科へ切り替えることができます。
小児歯科のカルテやデータも引き継げて、馴染みのある歯科医師が担当してくれることもあり、両方が併設されている歯科医院がおすすめです。
ただし、大学病院などの大きい病院では小児歯科と一般歯科がそれぞれ独立している場合もあるため、今まで通りにとはいかないことは注意しましょう。
小児歯科の特徴
小児歯科は一般歯科とどう違うのか、通う前はよくわからないかもしれません。
対象が子どもということで、一般歯科とは少し違う特徴があるのです。
ここでは小児歯科の特徴を詳しく解説していきます。
子どもの不安を少なくする工夫がされている
まず小児歯科に通い続けることができるように、さまざまな工夫がされています。
歯医者に対しての不安を軽減できるような工夫は、以下のようなものがあります。
待合室や診察室の工夫
待ち時間を楽しく過ごせるように、待合室や診察室に工夫がされています。
- キッズスペースで自由に遊べる
- おもちゃや絵本などが用意してある
- 子どもが過ごしやすい内装や色味を選んでいる
- おむつ替えスペースがある
- 保護者と一緒に診察室に入れる
- 診察室で見上げる位置にアニメなどが流れるモニターが付いている など
診察時間を待つまでの間に不安になってしまうのを防いだり、治療器具でいっぱいの診察室が怖くなったりすることを軽減するための工夫です。
小児歯科ごとにさまざまな工夫がされているため、初めて行く歯科医院ではHPで雰囲気を見てみるなど、子どもに合っているか確認してみましょう。
診察の工夫
初診からいきなり治療をするケースは少なく、まずは歯医者という場所に慣れてからゆっくり進めていく小児歯科が多いです。
人見知りや場所見知りのある子どもには、初めて行く場所でいきなり口の中を見られるのは怖いものでしょう。
歯科医師と話したり、スタッフと遊んだりして、場所に慣れてから初めてくれると不安も少なくなるため、配慮してくれる小児歯科がおすすめです。
また、痛みを少なくする工夫をする小児歯科もあるため、最初に確認しておきましょう。
楽しみになる工夫
小児歯科に行くこと自体が楽しみになるような工夫をしている歯科医院もあります。
- 治療後のごほうびに、シールやガチャガチャを用意
- 季節のイベントや飾りつけで楽しい場所を提供 など
不安な気持ちよりも楽しみになるように工夫された小児歯科ならば、通うのが怖くならないのではないでしょうか。
虫歯予防を重要視している
小児歯科では、虫歯予防を重視している特徴があります。
乳歯のうちから適切な予防ケアをして、定期検診を受けることにより、虫歯予防や早期発見をして、将来的にも健康な口内を目指すのを目的としています。
虫歯になりにくい指導もするため、親子で虫歯予防ができるでしょう。
小児歯科の専門医
子どもの歯は柔らかくて虫歯が進行しやすく、一般歯科では対応できないこともあるため、小児歯科の専門医の知識と経験が必要となります。
低年齢であればあるほど大人の歯とは違い、子どもの治療に慣れている専門医がいる小児歯科がおすすめです。
将来的に歯医者嫌いにならないためにも、小児歯科の専門医がいる歯科医院で治療を開始するとよいでしょう。
親子で通える
大人だけが歯医者に通う場合、その間子どもを預かってくれる先がなければ一緒に連れて行かなければなりません。
一緒に行っても、治療中に歯科医院で待っていられるかは、年齢によるでしょう。
そんなとき、小児歯科と一般歯科が併設されているところなら、親子で一緒に通うことができます。
大人だけ、子どもだけの定期検診に通うのは時間が取れずむずかしくても、一緒に予約ができればハードルが下がるでしょう。
小児歯科は予防治療を重視
小児歯科は虫歯治療やクリーニング以外にも、虫歯予防を重視しているという特徴があります。
大人になったときに虫歯で歯がボロボロになってしまっていたり、強い歯を育てたりして、将来のことを考えた治療がされるのです。
ここでは予防治療の内容について、詳しく解説していきます。
歯磨き指導
歯磨きは自宅でのケアの基本となるため、子どもの頃から身に着けておいてほしい大事なことです。
子どもへはもちろん、仕上げ磨きが必要な年齢では保護者への指導も行われる場合もあります。
正しい歯磨きの指導のほか、歯ブラシや歯磨き粉の選び方なども教えてくれて、歯を健康に保つために役立つでしょう。
フッ素塗布
小児歯科での予防治療の特徴として、フッ素塗布が挙げられます。
一般歯科で行われないこともあるため、初めて耳にする人も多いかもしれません。
子どもの歯は未発達で柔らかく、磨き残しなどで虫歯になりやすいため、以下の効果があるフッ素塗布がされます。
- 歯の再石灰化を促す効果
- エナメル質を強化する効果
- 虫歯菌を防ぐ効果
前歯が生えそろう1歳頃から定期的にフッ素塗布を受けることで、歯を丈夫に保ち虫歯予防につながります。
シーラント
シーラントとは、磨き残しの多い奥歯の溝をプラスチック樹脂(レジン)で埋めて、汚れが付くのを防ぐ方法です。
あらかじめシーラントで埋めておくことで歯の汚れを防いで、虫歯予防をします。
樹脂の状態を確認するため、定期的なメンテナンスが必要となります。
食生活の提案
虫歯になりやすい食生活を改善する指導も、小児歯科の予防治療には大事な要素です。
気を付けるべき食生活は、以下のようなものがあります。
- ダラダラ食べ
- 糖分の多いおやつやジュース(スポーツドリンク、野菜ジュースを含む)
- 粘着質な食べ物(ガム、キャラメルなど)
- 食事中の水分の取りすぎ
- 歯ごたえのない食材ばかりの食生活 など
食事やおやつを長時間ダラダラ食べ続けていると、口腔内が酸性に傾いてしまいます。
酸が歯を溶けやすくしてしまい、結果的に虫歯につながってしまう可能性が高くなるのです。
焦って食べさせるのはよくありませんが、食事の時間やおやつの回数などは決めておいた方が良いでしょう。
また、糖分は虫歯菌にとって栄養になってしまうため、虫歯になりやすくなります。
子どもが成長するにつれ、家以外で何かを食べる機会も増えてきますが、大量の糖分が含まれるおやつばかり食べるのは控えるように伝えましょう。
スポーツドリンクや野菜ジュース、果汁100%のジュースにも糖分は含まれているため、飲みすぎには注意しましょう。
食べたり飲んだりした後は、しっかり歯磨きをして口内に糖分を残さないことが虫歯予防に効果的です。
保護者の虫歯予防・治療
小児歯科では、保護者の虫歯予防のための指導や、場合によっては一般歯科での治療をすることがあります。
「なぜ保護者も?」と不思議に思うかもしれませんが、虫歯菌は唾液によって感染する可能性があるのです。
料理を取り分けるときに自分の箸をそのまま使ったり、同じスプーンで食事を食べたりする場合は、大人から子どもへ虫歯をうつしてしまうかもしれないリスクがあります。
そのため保護者の虫歯を予防・治療するのは、子どもへの感染のリスクを減らすことにもつながります。
年齢別・虫歯予防注目ポイント
年齢によって、虫歯予防で注目すべきポイントが違ってきます。
ここでは年齢別に歯の特徴や虫歯予防のポイントを解説していきます。
0~3歳
乳歯が生えたばかりはエナメル質が柔らかく、虫歯になりやすい時期です。
離乳食は糖分があまり含まれていなくても、大人と同じような食事をとるようになった頃から虫歯のリスクが高まります。
0歳のうちは水を含ませたガーゼで優しく拭き取って、歯磨きのための準備をすると、抵抗感がなくなっていきます。
保護者が歯磨きをすることが多いですが、歯の間や裏なども丁寧に1本ずつ磨いてあげましょう。
歯ブラシを自分で持てるようになっても、磨き残しのチェックのためにも、仕上げ磨きは続けてください。
4~6歳
乳歯が生えそろう時期で、同時に虫歯の可能性も高まっていく時期でもあります。
糖分の多いおやつは控えて、果物や芋類などの自然の甘みをとるようにすると良いでしょう。
食べ物を奥歯ですり潰すことを覚えてきて、汚れもつきやすくなります。
仕上げ磨きでも奥歯は見えづらいため、意識して磨いてあげましょう。
乳歯が虫歯になってしまうと進みが早く、将来の永久歯に影響してしまう可能性があるため、この時期に歯磨きの習慣を身につけて虫歯予防することが重要です。
7~12歳
生え替わりが始まり、乳歯と永久歯が混在していて、歯が動くことで歯並びや噛み合わせが安定しないため、歯磨きが難しい時期です。
家以外でおやつを食べる機会も増えて、糖分による虫歯もなりやすくなります。
また、6歳臼歯という乳歯の並びの一番奥から生えてくる永久歯は、初めての永久歯となり、これからの噛み合わせにとって大事な歯です。
生えたばかりの永久歯はまだ虫歯になりやすく、注意して歯磨きをする必要があります。
奥に隠れて見えづらく、汚れも溜まりやすいため、虫歯にならないようにしっかり磨いて虫歯を予防しましょう。
仕上げ磨きは必要ないと感じる方もいるかもしれませんが、永久歯が生えそろう12歳頃までは仕上げ磨きをすることが推奨されています。
同時に、食後の歯磨きの声かけや、定期的に小児歯科で検診を受けるなど、虫歯予防を続けてください。
13~18歳
12歳以上になると、個人差はありますがほとんど永久歯に生え変わっている頃です。
奥歯の隙間などに汚れが溜まりやすいため、丁寧な歯磨きをしてください。
歯磨きも自分でするようになりますが、磨き残しをなくすのは大人でも難しいため、定期検診で口腔内のチェックをしてもらいましょう。
また、顎の骨の成長が十分で永久歯が揃っていたら、一般歯科にうつるタイミングにもなるかもしれません。
子どもが1人で通っていたとしても、歯科医院への相談には同行して相談した方がいいでしょう。
まとめ
小児歯科には年齢制限がないですが、1歳半から18歳頃までが通うことが多いです。
年齢を決めている小児歯科もあるため、事前に何歳から通えるかを確認しておきましょう。
子どもの不安を減らす工夫も、小児歯科ごとに違いがあります。
問い合わせや見学などをして、楽しく通えそうな小児歯科を選ぶのが、長く通えるコツです。
予防治療を重視している小児歯科に定期的に通い、健康で丈夫な歯を保ちましょう。
箕面おとなこども歯科では、小児歯科と一般歯科どちらにも対応していて、親子で診察を受けることができるファミリー診察室を完備しております。
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初めての小児歯科で心配があったり、歯医者に苦手意識があったりする方は、まずはお気軽に箕面おとなこども歯科へご相談ください。